雲のシリーズが出来上がるまで。
組紐の技法を使って装身具を制作している自分。
組紐を始めたきっかけの一つは、企業でジュエリーのデザインをしていた頃、マシンチェーンの代わりになるような紐やリボンのようなものを作れないか?というものでした。
それから長い間の試行錯誤の繰り返しで、現在のような天然石を糸に組み込んで仕立てるスタイルになっていますが、紐自体のネックレスとして存在できるものを作ることができていませんでした。
美くしくて使い勝手の良い既製の紐やリボン等が簡単に手に入るご時世。
この紐がなくては、とか、この紐だからこそ、というデザインをずっと模索していました。
ようやく今年になってから、ペンダントトップとなる石と、紐、そしてネックレスとしての機能を担うストッパーで構成されるシンプルな構造のネックレスという形にしよう、というところまでは決まってきました。
偶然の色彩や模様を内包した石からその特徴を生かすように切り出し研磨されたルースに合わせて、糸の色を選び組み上げた紐、そしてそれをネックレスとして成立させるストッパーをどうしようかと考えていました。
紐は平紐なので、幅と厚みがピッタリでないと使えないので、オリジナルを作らなくてはなりません。
つ一つの要素がお互いになくてはならない存在だと考えていたとき、前回のブログに書いた、この一枚の紙のなかに雲が浮かんでいる の一節が思い出されたのです。
これこそひらめきかな、と思っています。笑
そしてすぐに、素材は木で、雲のモチーフにしようと思いつきました。
こうして、雲のシリーズを形にすることができました。
風化メノウ、トルマリン、メープル(オイル仕上げ)
まずは10点のネックレスを、
白南風SHIRAHAE
7/10〜17
Showcace(Spiral 1F)
でご紹介します。
KUMとして、これから作り続けるシリーズにしたいと思っていますし、個人として、自分自身も自分以外のすべてによってあるということ、自分の考えや振る舞いも社会に繋がっていると感じることを大事したいと改めて思っています。