17日(日)までの水金地火木土天冥海さんでの展示でもご紹介している、ホワイトムーンストーンの作品たち。
これらは、ロシアの詩人アルセーニィ·タルコフスキーの詩から生まれました。
秋の最後の月に…
と始まる詩の中の 乳白色の霧のガラス という表現に、ホワイトムーンストーンが思い起こされて。
詩の後半の、
暮れなずむ
雨雲から青色が輝き
鮮やかな光が差し込んできたのだ、まるで六月のように、
未来の日々から私の過去へと。
まるでこんなふうにインスピレーションをもらい、仕入れてから何年も寝かせていたホワイトムーンストーンたちを作品に仕立てることができました。
私は読書家ではないし、詩が好きと言えるほど親しんでいるわけではないけれど、気分が落ちているとき、心が疲れているときに、言葉に助けられることが多くあります。
また、そういった言葉は、自分の心の湖の中に波紋を作り沈んでいくような感覚があって、制作モードに入るための切り替え装置にもなっていると感じています。
白い、白い日
という詩集。
昨年出会えた本ですが、挿入されている写真とあいまって、詩人の世界観に浸ることができ、また、共感と自分への問いかけをもらえる大切な一冊になりました。
アルセーィ·タルコフスキーは、映画監督アンドレイ·タルコフスキーの父とのこと。
アンドレイ·タルコフスキーの映画は何作か観ましたが、学生時代に行ったオールナイト上映のプログラムに含まれていたサクリファイスで寝てしまいほとんど見逃してしまったままになっています(笑)。
その中で、白い、白い日 にも含まれている、遺言 という詩が朗読されているそう。アルセーニィは、アンドレイと妹が生まれた後、妻子を捨て他の女性と暮らし始めた…ということで、この父子の間には複雑な感情があったであろうことも踏まえて、また観てみたいと思います。