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kum 日々の小さな営みから

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庭仕事の愉しみ



今日で11月も終わり。はやいです〜。

唐突ですが、

庭仕事の愉しみ

という本と出会いました。
文豪へルマン・ヘッセが綴った庭についての文章を集めたものです。
庭仕事の愉しみ_f0181011_12153610.jpg

「土と植物を相手にする仕事は、瞑想するのと同じように、魂を解放させてくれるのです」
ーヘルマン・ヘッセは後半生、執筆に費やす以外の時間はほとんど自分の庭で過ごした。
一見、隠居生活のように見える庭仕事の中に、ヘッセは尽きぬ愉しみと、後に彼の文学へと結実するさまざまな秘密を発見した。「自然は寛大であると同時にまた容赦のないものである」ーヘッセは庭に佇みつつ、観察し、考える。本書はヘッセが庭から学んだ自然と人生に関する真理を綴った書である。(扉の文章から)


最初は、雑草取りに追われるだけの自宅の庭を積極的に楽しめる場所にしたいと思っていて、ふと目にとまったタイトルだったのですが、そんなことよりスケールが大きくて深い内容で、その思想、また彼自身の美しい水彩画にもすっかり魅了されました。

そして、水彩画と共に挿入されている彼の庭での写真をみているうちに、祖父のことを思い出しました。祖父母の家は、祖父が丹精した庭がありました。
祖父は、鶏の研究をしていた人で、子供の頃夏休みと年末年始だけ訪ねると、庭仕事をしているか、机に向かって鶏の絵を描いているか、幼い自分にとってはそんな印象の人でした。
手入れもほとんどしていないので荒れていますが、今もあるそこへ足を踏み入れると、かつてあった葡萄棚や鶏小屋の網を手入れしている祖父の姿がフラッシュバックするような感覚があるのです。
祖父も鶏を飼い、果樹や草花を愛して手入れし、ヘッセと同じように人生の真理を感じ取っていただろうか。
そんなことにも思いをめぐらせられた本です。





庭仕事の愉しみ_f0181011_1272947.jpg
仕事部屋のベランダから見えるもみじ。こんなふうについ数日前まで美しく紅葉していたのに、昨日の雨ですっかり落ちてしまいました。
by kum-ku | 2014-11-30 12:21 | 日々のこと
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